創業者の想い
誰もが、そのまんま等身大の自分に安心できる社会を実現する、これが私の想いです。
原体験は両親の教育でした。恋愛禁止など禁止事項が多く、本当の自分を殺して生きていました。クラスメイトからは、日韓のハーフでいじめに遭いました。惨めさや悔しさ、寂しさをバネに「誰もが本当の自分でいることに安心して生きられる社会を創る」と10歳の頃決意します。
20歳より、誰もが安心して笑顔でいられるUSJや東京ディズニーランドにおいてMVPスタッフで活躍後、22歳、官民奨学金トビタテ!留学JAPANにて米国NPOでインターンとして活動する中、光明が見えてきます。それは、誰もが安心して生きられる社会には、周りの人たちの温もりが必須であるという気付きでした。1人の力には限界があります。共に活動する人たちの尊さを、10か月の留学から学びました。
帰国後、幾つかのプロジェクトに取り組んだ後、24歳、2019年6月より「若者が上京する際、温もり溢れる居場所」の検証実験をスタートしました。800名の利用者の受け入れを通して、ネットカフェやホテルでの「お会計2000円になります」といった味気のない会話からは得られない、「おかえり」や「ただいま」といった温かいコミュニケーションこそ、安心できる社会の実現に不可欠だという仮説を得ました。孤独感や虚無感、欠乏感は人本来の温もりによって、姿そのものを変えます。
また、自分自身も10名の住人及び学生ユーザー、心強い応援団の皆さまとの関わりを通して、そのまんま等身大の自分に安心して人生を歩めるようになりつつあります。この場を起点として、社会そのものを変えていけると確信しています。
2020年2月 吉日
荒木 孝文
2018年の3月に、現在の渋谷区恵比寿にテナントを借り、「就活ハウス」という曖昧な形態で運営を始めました。初期は、SHANTAN EAST、その後タカイエ、そのまんま荘と、度々名前を変えながら、なんとか今日まで運営を続けて来ました。
立ち上げ当初のFacebook投稿を振り返ると、地方就活生の経済的負担や、いわゆる「格差」みたいなものに課題意識を持ち、低い金額でネカフェよりも温かい場所を提供することがやりたかったみたいです。
今も、その想いは変わらないのですが、格安で休める場所の提供は、手段であって、
本質的な価値は、ネカフェやカプセルホテルでは提供出来ない、心の安息や安心感と、場の多様性から、自分らしさの輪郭に出会うことだったなと。
解決したい課題は、就活中、良くも悪くも、建前や虚栄に苦しみ、東京の真ん中で孤独を抱いている上京した地方学生にとって、本気・本音・本質に立ち返れる場所が無いことだったなと気づきました。
最も伝えたいメッセージは、そのまんま(あなたらしさであったり、本心であったり)を大切にして欲しいという願いであり、それが、『そのまんま荘』に名称を変更した理由でした。
どうか、就活という、人生の岐路に立つ皆さんが、自分にしか分からない自分の幸せについて考え、選択を繰り返しながら、歩みを続けて欲しいなと。願わくば、一人ひとりのそのまんまが滑らかに表現された未来を、この場所から創って行きたいなと思っています。
柴田 幸仁